2026/06/03 10:06
pH試験紙による尿検査を初めて行う方は、まず身近にある市販の牛乳を使って、正しい色の出し方と見方を練習してみましょう。牛乳は、痛風や糖尿病の患者様、またはストラバイト尿結石を患うペットの飼い主様が目標とする弱酸性尿と同じpH6.2から6.6なので、練習に最適です。
練習の手順として、まずはコップや皿に牛乳を少量注ぎます。次に、スティック先端の試験紙全体を素早く牛乳に漬け、直ちにサッと引き上げてください。数秒間も漬けたままにすると、黄色の指示薬が溶け出して発色不良になってしまいますので、素早く漬けて素早く引き上げるのが大切なポイントです。もし試験紙の表面に牛乳がたっぷり盛り上がっているときは、下に向けたスティックの尻を指で軽く叩いて余分な牛乳を落とします。逆に濡らし方が足りないと発色ムラができて判定できなくなるため、全体を瞬間的にしっかり濡らすようにしてください。牛乳から引き上げると、試験紙は瞬間的に一様に黄色っぽく発色し、この色が正しいpH値となります。ただし、試験紙の先端約1mmは接着剤の糊しろですのでこの部分の色は無視し、寒いときは反応が遅くなるため一呼吸待ってから比色表と見比べて判定します。濡れている間は変色しませんが、乾燥に伴って退色するため、なるべく3分以内に判定を済ませてください。もし尿のpH値がおかしいと感じたときは、品質劣化を疑う前にこの牛乳チェックを行い、黄色っぽく発色すれば劣化していないと判断できます。なお、水道水で練習する場合は発色までに数十秒から1分ほどかかります。
実際の尿検査では、紙コップを使わずに排尿中の尿線を横切らせて瞬間的に尿を接触させる「尿線カット法」で行います。尿をジャージャーと当て続けると、指示薬が流出して判定不能になるため注意が必要です。もし尿線にうまく当たらなくても、スティックの持ち手に付着した尿のしずくを試験紙に吸い取らせれば問題ありません。試験紙の上に尿のしずくが盛り上がっていても透明なので判定の邪魔にはならず、むしろ指示薬の流出を防いでくれます。尿線カットのタイミングは出始めでも途中でもpH値にほとんど差はありません。尿に触れた瞬間は発色が濃く輝いて見えることがあるため、一呼吸おいて色調が落ち着いてから比色表と見比べて判定してください。

足の短い犬種や、しゃがんで排尿するメスの犬や猫は尿線が見えにくいため、動物が排尿姿勢をとったらすかさず股間にスティックを差し入れます。柄に尿が引っかかった感触があったら素早く引き込め、スティックを斜めに支えながら尻を指で軽く叩くか、そっと軽く振り下げることで、柄に付着した尿のしずくを試験紙の方へ滑り落として濡らします。

なお、人間の尿pHをチェックすることで、交感神経と副交感神経のどちらが優位になっているかという自律神経の現状をある程度把握できる利点もあります。
※pHスティックは水に溶けないため、トイレへ行くときはティッシュを用意し、使用後は紙にくるんで可燃ゴミとして捨ててください。また、試験紙は湿気や直射日光に弱いため、防湿袋に入れた状態で冷暗所に保管し、なるべく早く使い切るようにしてください。
