2019/06/20 09:57

結晶の析出は、次のような事項の影響による。

(1)体温(検査室の温度)

(2)尿pH

(3)物質の溶解度(濃度)

(4)投与された薬剤

結晶は余剰物質が生体の恒常性(ホメオスタシス)を保つために尿中に排出されて生じたもので臨床的意義は大きくないという考え方と、排出された状態を重く見る考え方とがあり、一概にはいえないが猫の下部尿路疾患要因の一つとして十分な役割を担っている」(p.32)

「一般論でいえば、結晶は血中の余剰物質を生体が恒常性を保つために腎臓から尿へ放出したものと考えられる。

その観点に立てば、その放出により生体は恒常状態に戻った、あるいは戻ろうとしている状態であって、診断的意義は大きいものとはいえない。

しかし、他方では病的状態で産出される結晶もあって、生体内の情報として受け取ることもできる。

出現した結晶について、どのように理解するかは観察者の考え方、経験などにかかっている。」(p.48)