2019/06/15 15:51
犬や猫の尿にストラバイトが出るのは、室内で飼育している場合が多い。
特に、一番イケナイのが、ケージ(ハウスやフェンスなどの閉塞収容施設を含む)です。
愛犬や愛猫を狭いケージなどに閉じ込めたままの飼い主様が少なくないようですが、これこそストラバイトの元だとは意外と知られていないようです。
ケージに閉じ込めたからと言って、必ずしも常に百発百中の確率でストラバイトが出るわけではないものの、ストラバイトが非常に高い確率で出るのは間違いない事実です。
しかも、血統書付きだろうが雑種だろうが関係なく、品種・老若・♂♀・肥満や去勢・避妊の有無、居住環境とも関係なしにストラバイトが高率に出てきます。
何故なのか?
ケージの置き場所は室内の日の当たらない場所が多いことから推察すると、もしかしたら、日光不足のせいで「クル病」気味となり、成長不良の四肢骨からカルシウムなどの骨成分が溶けて尿がアルカリ性になりやすいのかもしれないとも考えられます。また、狭いケージ内では活発に運動できないので、「廃用性委縮の原則」どおり筋骨が衰弱し、カルシウムなどの骨成分が骨組織から溶け出して尿がアルカリ性になるとともに、運動しない筋肉から乳酸が産生されないので尿が酸性にならないと推察されます。
でも、私はそんな単純なことじゃない、もっと大きな深い原因があるように思います。それは、もしかしたらケージの中や室内にいることによって、絶対安全という安心感のせいかもしれません。
敵に襲われる不安や恐怖・心配などのストレスが無い解放感と、安全で居心地良い場所での深い安心感とに浸り切っているのではなかろうか?
もしもそうであるなら、交感神経が弛緩して副交感神経が作動するので尿がアルカリ性になります。そのため、尿に含まれている骨成分が結合して微細な三重燐酸結晶が析出します。
さらに、冷暖房完備の快適な室内で寒暑や飢餓などと無縁になることもあって交感神経が作動せず、尿が酸性にならない。そのため、アルカリ性の尿が出続けるので、微細な三重燐酸結晶が巨大化して粒状の目に見えるストラバイトが形成されます。
この図式が正解かどうか分かりませんが、とにかく、1日中緊張感のない環境は避けて刺激をあたえてあげることが大切です。