2019/06/15 15:24
ストラバイト予防の最善手段は運動です。運動すれば尿がサッと一過性に酸性化するのをご自分の尿で体験していただければ、愛犬愛猫に食べさせるフードのことで、あれこれ迷い悩んできた今までの苦労や努力や出費などが見当違いでバカバカしくなるでしょう。
ただし、老犬・老猫や臓器不全・怪我などの故障個体には運動強制を避けるべきです。
その代わり、次善の手段として、尿が酸性になる酸性食品を食べさせれば、尿pHが低下します。
事実に勝る権威なし! 反論・疑問は後回し! 理論なんぞは学者の仕事!先ず、お試しあれ!
(ご参考までに「酸性食品・アルカリ性食品一覧表」を掲示してあります)
運動すれば必ず尿pHが低下するので、我が子(犬・猫)の運動中や運動後の尿pHを飼い主様ご自身でチェックして確認してほしいとお勧めしたところ、
「ナルホド、運動で本当に尿が酸性になった。それに、酸性に下がったpHが、すぐまた上がったり下がったりして、目まぐるしく変化するというのも本当だった」と、納得してくださる飼い主様が大半なのですが、中には、「ハスキー犬を自転車で伴走し充分に運動させているのに、運動後の尿pHが低下せずアルカリ性のままだ。運動療法なんてウソだ」、という苦情のメールもあり驚きました。
サテ困った、どうしよう。もしかして慢性腎不全など病気持ちの犬だったのだろうか?
あれこれ思いついた原因を苦情者に恐る恐る質問させていただき、ようやく判明したのですが、何とまあ、意外や意外、運動後にご褒美でキューリやスイカなどを食べさせていたのです。ギョッ、唖然、呆然、超ビックリ! それじゃあ、犬の尿がアルカリ性になったって、しょうがないじゃないの・・・。
野菜や果物は尿をアルカリ性にします。しかも、運動後の空腹時に食べると効き目が増し、尿のpHが急上昇します。ニンゲンがそうなんだから、犬も猫も同じはずです。
☆酸性食品・アルカリ性食品があるのです!
ストラバイトの不安を抱える緊急事態にもかかわらず、愛犬・愛猫にとっては「毒」とも呼べる野菜や果物を、飼い主様たちが食べさせたがるのは何故なのか?
歩くのも億劫そうな肥満の飼い主様が野菜・果物はダイエットに有効と信じ込み、肥満気味の我が子(犬・猫)にも良かれと思って、安直に食べさせているのかもしれない。
犬も猫も旨そうなフードの匂いには敏感であっても、見た目なんか全く気にしない。にもかかわらず、擬人化して人間のように可愛いがりたがる飼い主様がいて、彩り美しくと心がけているのだろうか?
それとも、肉食動物に野菜・果物は必要だとでも説く変な学説が横行しているのだろうか?
特許pHスティックご利用の飼い主様たちにお尋ねしたところ、「酸性食品・アルカリ性食品」があるなんて誰も一人も知らないとのことでした。皆さん、何故、ご存知ないのだろう?
ほんの数10年前まで、医師は患者が読めないように診察記録をドイツ語で書くのが習わしでした。そうすることが医師の権威を高め、患者たちから尊敬されると信じられていたようです。
同じような感覚が獣医師にもあり、「酸性・アルカリ性食品」のことを飼い主様たちに教えないほうが獣医師の権威になるとでも錯覚したのかもしれません。
あるいは、飼い主たちに「酸性・アルカリ性食品」が知られてはマズイ。知られると輸入○○が売れなくなるから隠し続けよう。その方が得だ、と考える大勢力があったのかも・・・?
どんな事情があったのか真相は不明ながら、食べると尿が酸性やアルカリ性になる食品が身近に実在することは、紛れもない事実です。
大正時代には尿が血液と同じ体液と誤解されていたようで、「酸性食とは、体内で分解して体液を酸性に偏向し、尿にも酸性を加える食物である」とか「アルカリ食とは、体内で分解して体液をアルカリ性に偏向し、尿にもアルカリ性を与うる食物である」などと定義されていました。
しかし、尿は不要物質を体外へ捨てるための廃液であって体液ではないので、体液と尿のpHは連動しないはずです。でも、私が実際に食べて実験してみたところ、明らかに酸性食品とアルカリ性食品が存在することが確認されました。
原著では「強酸性食品」・「弱酸性食品」と「強塩基性食品」・「弱塩基性食品」に区分されていますが、煩雑なので勝手に私が酸性食品とアルカリ性食品に大別し、昔の読めない食品名をカタカナで表示したのが下表です。
☆肉類(+穀類) これで尿が一過性に酸性化する
ご自分の愛犬・愛猫に何を食べさせようとも全く自由です。余人のとやかく申すことじゃございません。でも、ほんのちょっと前(30年くらい?)までは、日本の犬も猫も、家人が食べ残した前日の冷や飯に、残った味噌汁をぶっかけたものが常食でした。鍋底に残った煮干や鰹節などが人間から与えられる唯一の動物性蛋白だったのです(猫はネズミ、スズメ等で自力補給)。
そんな食餌でも、犬や猫はちゃんと元気に生きていました。今と比べて、それほど短命だったとは思えません。今や栄養満点の高価なエサのお蔭で、多少は長生きできるようになったのかもしれませんが、むしろ癌や糖尿病、白内障、尿路結石、尿道閉鎖、ペニス切断など、余計な苦痛を背負い込ませてしまったのではなかろうか。
運動さえ充分なら、それだけでストラバイトを確実に予防できます。だから、何を食べさせたって一過性・一時的に経過し、翌朝の運動で弱酸性以下の尿が出れば何の心配もなし。
だが、早朝出勤・深夜帰宅などで、昼間我が子に日光を当ててやれないとか、怪我や痛風などで我が子と一緒に走ってやれないとか、様々な事情で運動不足を回避できない場合もあるかと存じます。
そんなときは止むを得ません。あんまり感心できない次善の手段ですけれど、なるべく肉食オンリーの食餌に徹するようにしてあげましょう。
牛・豚・馬・鹿・兎・イルカ・鶏などの血まみれの新鮮な生肉が望ましいのですが、入手困難でしたら煮たり焼いたりしてもOKです(一番安価な豚コマで可、味付け無用)。
ただし、猫には生の豚肉を食べさせない方が無難です。それほど神経質になる必要はないと言われていますが、猫に特有のトキソプラズマという寄生虫は豚やネズミから感染するからです。