2019/06/13 10:22
ヒトもイヌもネコも、尿pHは5~8の範囲内で常に目まぐるしく上昇・下降を繰り返しています
ヒトもイヌネコも、尿のpHは約5~8の範囲内で常に目まぐるしく上昇・下降を繰り返しています(ただし、この数値は私が検査に使用したpH試験紙の測定限界がpH5,0~8.0であるためであって、実際の変動範囲はpH4~10くらいかもしれません。でも、それを調べるには別の種類のpH試験紙が必要となり、面倒なので調べていません)。
隠居した老獣医師である私個人のデータ収集力に限界があるとはいえ、このように変動しているのが事実だろうと私は確信しております。
さて、あなたやご愛犬・ご愛猫たちの尿pHは如何でしょうか?
もしも、あなたが野菜サラダやヒジキや里芋などの酸性食品をモリモリ食べているのに尿が酸性のままでアルカリ性にならなければ、あなたは痛風か? 糖尿病か?さもなければ動脈硬化が進行している恐れがあるのかもしれません。もしも、残念ながらそうであれば、思い切って生活習慣を改善するなどして、毎日一度でも弱酸性~アルカリ性の尿が出るように工夫してください。
その努力が成功すれば、もしかすると一時的であろうとも病勢の進行が止まるかもしれません。
医師でない私が人間の健康に言及する資格はなく、うっかりすると医師法違反に問われかねませんが、アルカリ性の尿が出るように努力すれば生活習慣病は改善されるかもしれない。そんな淡い期待が私の頭をかすめのですが、皆様は如何でしょうか?
尿が酸性の皆様や、ご愛犬・ご愛猫の飼い主様たちからpHチェックの情報やご意見をうかがわせていただけますれば誠に幸甚に存じます。Dr.中島健次(獣医師)拝
リンゴJR「Dr.中島健次様 愛犬リンゴJR.(シーズー♀2歳)のオシッコのpH値について疑問があるので教えてください。
かかりつけの動物病院で買わされたストラバイト治療用の処方食だけを食べていた頃は一日中pH5.4~5.8の酸性尿出しっぱなしだったのが 、処方食を止めたとたん、びっくりするくらいアルカリ尿を出すようになりました。
例えば、夕方の散歩でせっかく走らせて尿を酸性にしたのに草をむさぼるように食べたり、公園の水(アルカリ性なのでしょか?)をがぶ飲みした後は、pH値が8(もしかしたらそれ以上?)と思われるくらい緑色に変ってしまいびっくりしましたが、翌朝pH5.8に下がっていました。
pH8以上(?)なら正常とは言えないのでしょうか?
それに、いくら草を食べて公園の水を飲んだからといって、走った後の尿がpH8.0というのは、もしかしたら異常なのでしょうか?
その時はたまたま尿線が見えず、歩道のアスファルトの上に落ちた尿にpHスティックをつけたので、なにかアルカリ成分があったのかもしれませんが…。もう少し根気良くデータをとってみます」
「リンゴ・スター様 お目出とうございます。ご愛犬は健康です。
ご質問の前置きの >がぶ飲みした後はpH値が8(もしかしたらそれ以上?)と思われるくらい
>緑色に変ってしまいびっくりしましたが、翌朝pH5.8に下がっていました。
回答 ◆これで良いのです。これが健康な証拠です。これだけ尿のpH変動があれば、もう安心。たとえストラバイトが出ても朝には溶けてしまいます。
どうぞ、ご愛犬が好きなものを食べさせてあげましょう。酸性・アルカリ性食品一覧表がご参考になるかもしれません。次回ご発注時にご指定いただければ、忘れずに同封させていただきます。敬具」
Dr.中島健次拝
「Dr.中島健次様 早速のご返信メールありがとうございました。 先生に太鼓判を押していただけて心強いです。異常と言われたらどうしよう、と思っていました。 今夜から早速手作りオンリーにして、またデータをとってみます。本当にありがとうございました」 リンゴ・スター
「リンゴ・スター様 尿に濡れたpH試験紙が濃緑(pH8以上?)になったなんて、2歳の若いリンゴJrが羨ましくてなりません。われわれ老人は、いくらクエン酸を飲んでも思うようには尿のpHが上がらず、上がったときでもせいぜい弱酸性になるくらいなのです。原因は動脈硬化のせいだと私は思っています。ご愛犬のように、尿のpHが激しくアップダウンするようになりたい、というのがシニア(死近)の老獣医師である私の切なる願いです。敬具」 Dr.中島健次拝
「私のトンチンカンなメールでよろしければ、もし同じような事で悩んでいる誰かのお役にたてるのであれば、先生のご判断でHPに載せてください。
でも、実名では、もしも近所の獣医さんが見ているとまずいので 、昔のニックネームのリンゴ・スターでお願いできますか?
あと、リンゴJRの写真ですが、舌を出しているのは走って喉が乾いているからで、ちゃんと走らせている証拠写真です。 ちなみに私も一緒にちゃんと走っていますよ。私が走っている時は自分で自分が写せないだけです。
見ていただけばお分かりのとおり、リンゴJRはかなりメタボ犬ですが、夕べの餌はササミに鹿肉レバーやマグロ、鰯入りのP缶という缶詰(手抜きしました)を混ぜてオジヤにして食べさせました。
今朝の散歩時はびっくりするくらいのオシッコの量です。 pHは5.6。.これで夕方の散歩時にpH7~8くらいになれば理想的ですね? それではよろしくお願いいたします」 リンゴ・スター
「Dr.中島健次様 お世話になります。さて、リンゴ婆ちゃんの尿のpHですが、なんと、母はこっそり自分ひとりでpHチェックをして、自分でめもっていたことが判明しました。
私がトイレの中にpHチェック結果記入表をつくって置いてあるのに、なんでそんなややこしいことをしたのか分かりませんが、そこはやはり年寄りのこと、自分の健康には不安があるのでしょう。
自分なりにあまりひどければ、そのまま黙ってしらばっくれるつもり(?)、だったと思います。4日間だけですが、ちょっと不思議な結果が出てましたよ。今は仕事中ですので、お昼休みに4日間分の表を作ってお送りします」 リンゴ・スター
「Dr.中島健次様 母が自分でチェックしたpH測定値を添付させていただきます。まだ4日間しかチェックしていませんし、年寄りなので測り忘れもあり途中抜けてしまったり、チェック時間もまちまちなので、資料として使えないかもしれませんが、不思議な結果だと思います。
つまり、最初の2日は変動してはいるものの、朝と昼にpH値が高めで、夜には弱酸性になっています。昨日は、先生が仰るとおりに、年寄らしく一日中酸性尿がでていました。
もう少しチェックを続けたpHデータがないと分からないかもしれませんが、母の場合、日によって違うみたいです。敬具」 リンゴ・スター
「リンゴ・スター様 80歳の老女の尿のpHなんて、滅多にお目にかかれない極めて貴重なデータです。ありがとうございます。心から篤く御礼申し上げます。
7/3~7/5の3日間、老婆の尿が弱酸性~中性であったことに驚嘆しました。これは若犬リンゴJrや幼稚園児の私の孫たちと同じです。老婆の体内の何か(血管?腎臓?)が人並み外れて若々しいことを意味しているのではないでしょうか?」 Dr.中島健次拝
「Dr.中島健次様 お世話になります。 母の1週間の尿のpH値のデータを送付いたします。
相変わらず、日によってばらばらですし、なぜか朝一番尿の値が一番高く、夜の方が低いのが気になりますが、間違いではないと思います。時々チラッと私に濡れたスティックを見せてくれますので。
7/15の1日だけ、朝低く、昼夜が朝より高い値が出ました。 決して前の日にイジメてなんかいませんよ(笑)。この1週間特に体の調子が悪い日も無かったですし、毎日同じ時間に起きて、週に1,2度、2,3時間ゲートボールをして 、週に1,2度 詩吟だか童謡だかの会に参加し 、夕方はヨチヨチ歩きでリンゴJRの散歩に行き 、夕食の前に少~しだけ日本酒を飲み(これが唯一楽しみみたいです)、 夜は22:00頃寝るという、判で押したような生活を送っています。
1週間を通じて、極端に酸性だったり、アルカリ性だったりすることもなく 、なんとなくpH5.6~7.0くらいの間を行ったりきたりしているようです。 これがいいのか悪いのか分かりませんが、 年寄りなので仕方がないのかな?と思います。 お気づきの点がおありでしたら、遠慮なさらずご指摘ください。よろしくお願いいたします。敬具」 リンゴ・スター
「リンゴ・スター様 リンゴ婆ちゃんのオシッコのpHの貴重なデータ、ありがとうございます。心から篤く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
あいにく買い替えたばかりの新品パソコンのビスタを操作できず、送っていただいたエクセルの表をヤフーブログに載せることができません。申し訳ございません。お許しください。
リンゴ婆ちゃんの尿がpH5.6~7.0の範囲で変動している。これが良いのか悪いのか、というお尋ねに対し、答えは明快です。これで良いに違いありません。80歳の老婆が寝たきりにならず、介護施設の厄介にもならず、ゲートボールをしたり、詩吟を唸ったり、愛犬の散歩に行ったり、酒を飲んだりして生きていられるのですから、その老体から出た尿のpHこそ我々のような常時酸性尿者にとりましては、長寿者の鏡であり、理想とすべき望ましきpH値だろうと思います。
それよりも何よりも私を驚かせたことは、排尿回数です。まさか1日に3回きりのはずはないと思うのですが、それにしたって極端に少ないらしい。
調子が良い日でも約2時間ごと、1日に10数回も排尿する頻尿患者の私とは雲泥の差。この違いは何なのだろうか?
たぶん腎臓だろうと思います。リンゴ婆ちゃんの腎臓機能は幼稚園児みたいに若々しいに違いなし。 」 Dr.中島健次拝
「Dr.中島健次様
お世話になります。お忙しい中コメントしていただきありがとうございました。
母が健康であるということが分かり、とても嬉しいです。
病気になられては、イジメる相手がいなくて困ります。
と言うのは冗談ですが、トークバトルの相手がいなくなるのは 寂しいですからね。
それに私が昼間働いていますので、リンゴJRの良い遊び相手にも なってくれていて、母が元気でいてくれるのはありがたいことです。
排尿回数は流石に1日3回ということはありませんが、1日に5,6回で、夜中に起きることはまずありません。
昔よく膀胱炎になったり血尿が出たりして病院で精密検査を受けたこともあるほど、泌尿器系は弱かったのです。
腎臓には異常は無かったのですが、その後も時々膀胱炎になっていました。
定年退職後、老人仲間とゲートボールをしたり、バス旅行に行ったりして 外に出る機会が増えてからは膀胱炎もなくなり、排尿回数が減ってきたのです。
若い時に病気がちで、老人になってから健康になったレアなケースだと思います。
やはり日光にあたり運動するようになったことが良かったのかもしれません。
ゲートボールが運動になるか分かりませんけどね。
新PCご購入日の先生のブログ、とても楽しく読ませていただきました。
先生ほど使い慣れていらっしゃる方でもやはりセットアップ完了までは、そうとうご苦労されるのですね。
先生には失礼ですが悪戦苦闘なさっているご様子が、かわいらしく思えました。
かく言う私は究極のメカオンチで 人様のことをどうのこうの言える身分じゃないのですが。。。
それにしても、PC一つで、敗戦までさかのぼってしまうとは、先生の発想の豊かさやブラック?ユーモアのセンスにはいつも恐れ入っております。
あれだけ、ビル・ゲイツやアメリカのことを、云々言っておられたのに、最後にはヴァージョンアップされたPCを褒めちぎって、オチにするとは、さすが!先生です。母とリンゴJRの健康のためにも 今後も先生のブログ楽しみにさせていただきます。敬具」 リンゴ・スター
「Dr.中島健次様 お世話になっております。大変ご無沙汰して申し訳ありませんでしたが、リンゴJRとリンゴ婆ちゃんのpH値をご報告いたします。
[中島註]リンゴ婆ちゃんのpH値 09/20 7:00(pH6.4) 13:00(pH6.8) 17:00(pH6.8) 21:00(pH5.8) という具合に貴重なデータをいただきましたが、見やすいように上に掲げる折れ線グラフで図示しました。
8月中旬から臨時の仕事に追われる毎日で、母にpHチェックを頼んでいたつもりが忘れていたり、パソコンが壊れてしまったりと、てんてこ舞していたものですから、ご報告が遅れに遅れ今日になってしまいました。リンゴJRの尿のpHに関しましては、平日の夕方の散歩は母に頼んでいますので、土日祭日しか朝夕のデータがありませんがお許しください。
リンゴJRの場合、ゆるやかですがpHが変動するようになってきたと思います。
おやつに果物を食べさせてもアルカリ尿が続くこともないですし、いつもは酸性に傾きがちですが、時々、pH7.0以上の尿が出るようになりました。
今与えているドライフードはボッシュ社(ドイツ)の『ハイプレミアムスペシャルライト』という低蛋白なものです。もう少し様子を見て、もとのフードに戻していこうと思っています。
pHスティックのおかげで獣医さんに行かなくても尿のpHが自分で分かるので心強いです。
もとのフードに戻したとき、pHが変動するようになれば安心ですので。そのときまで、もうしばらくpHスティックのお世話になりたいと思います。敬具」 2008/10/10 リンゴ・スター
〔中島註〕リンゴ・スター様からいただいたデータの何が貴重なのか、お分かりでしょうか?
皆様にご理解いただけますように、私(頻尿爺)のpHデータも折れ線グラフに併記しておきました。黒点で図示した私の尿pHは、ご覧のようにpH5.6前後の酸性であり、クエン酸を服用しイモ類や海草・果物などのアルカリ性食品を食べ続けているのに、9/20から10/2までの13日間のうちpH7.0やpH7.2に跳ねあがったのは僅か4回だけです。それに比べ、リンゴ婆ちゃんと若犬リンゴJrの尿pHは酸性→アルカリ性→酸性と上下の変動カーブを描いているじゃないですか。これこそ正常で健康な証拠であり、実に素晴らしく羨ましいことです。しかも、リンゴJrの尿pHは黄色帯で示した弱酸性(pH6.2~6.8)の上(アルカリ性)にも下(酸性)にも変動しています。これだけpHが変動していれば、たとえストラバイトが形成されたとしても、すみやかに溶けて消えてしまくぃます。故に、手作り食と運動充分なリンゴJrは、もう二度とストラバイトの脅威にさらされることはありますまい。
「リンゴ・スター様 前回お届けしたA4紙の横幅いっぱいに大きく描いた折れ線グラフは、ブログの画面に収まるように収縮すると非常に見にくくなってしまうので、部分的に拡大したグラフをお届けします。拡大グラフで一目瞭然のように、80歳の老婆(赤点)も2歳のご愛犬(青点)も、ともに黄色で示した弱酸性(pH6.2~6.8)あたりで尿pHが上下変動しています。これが老婆と若犬の健康な証拠です。
このように変動すれば安心ですが、変動しないでpH7.0以上の状態が続くのは異常な危険信号であり、まもなく犬や猫の尿の中にキラキラ光る粒状のストラバイトが出てきます(何故かヒトにはストラバイトが出ない)。
飼い犬や飼い猫の尿に出たキラキラを見落とすと、ストラバイトが尿道に詰まって排尿困難(尿閉)になります。それを見逃すと尿が腎臓に逆流して尿毒症をおこしてしまい、24時間以内に急死します。
尿pHが変動する若々しいリンゴ婆ちゃんやリンゴJrに比べ、67歳の老獣医師の何と哀れなことか。
クエン酸もアルカリ性食品も即効せず、ほとんどpH5.6前後に停滞するのが通常です。
交感神経が作動すると尿が酸性になり、副交感神経が作動すると尿がアルカリ性になりますので、緊張作業のパソコンを夜はしないようにする。お笑い芸人のバカバカしいテレビを見ると腹が立ち交感神経が刺激されるのでテレビを見ない(まじめなドキュメントやNHKなら無難)。落語やマッサージのpHアップ効果も、あったりなかったりで不確実です。
人為的に確実に尿pHをアップさせる方法はないものだろうか?
たとえば、朝の空腹時にアルカリ性食品だけ飽食してみる。昼間、眠くなったら、いつでも昼寝する。
あるいは、はしたない大人気ないと批判されるだろうが、内心深く秘めている自慢話をブログで公開すれば心が解放されて副交感神経が作動し、リンゴ婆ちゃんや幼稚園児の孫みたいな尿が出てくれるようになるのではなかろうか?
はたして自慢話に効果があるのかどうか、自分で実験してみなければ効果の有無が分かりません。敬具」 中島健次拝
「Dr.中島健次様
先生、すごいじゃありませんか! 見やすく拡大された折れ線グラフを拝見しましたら、うちの婆さんはもとより、リンゴJRよりもっと激しくpHが変動していてすごいです。自慢話によるpHアップ効果を新たに実験してみたいとのこと。でも、普通の人ならpHスティックの発明、特許取得、商品の製造販売…などなどの段階で舞い上がっているところですよ。
先生にはそれすら、どってことないことだったのでしょうか?
自慢話ははしたない、という考えは日本人として尊いことだと思いますが、自慢話と考えず、ノンフィクションと思われましたらどってことないですよ。凡人どもにはレベルが高すぎて、自慢ととられたとしても先生は気になさらなければいいんですよ。
少なくとも、先生のおかげでストラバイトの恐怖から解放された愛犬家、愛猫家の人たちは自慢話などと受け取らないはずです。
リンゴJRは相変わらず尿の調子がよく、おとといの夕方にpH7.2だったのが、昨日の朝にはpH6.0に下がっていました。先生に運動療法を教わる前は、このように変動することはなかったのです。
かつて、ストラバイト発症のときは、動物病院で調べてもらうと、いつでもpH7.0~8.0の間で、処方食を食べさせていたときはpH5.6~6.4の間だったのです。それがお肉とお米の手作り食や普通のドッグフードに替えた途端に上下変動が始まりました。
暑い夏でも熱中症に気をつけながら、運動に励んだことも良かったんだと思います。
すべて中島先生のアドバイスのおかげです。
この事実だけでも自慢なさってください。敬具」 リンゴ・スター
[結言] 以上のように、シーズーの飼い主様から頂戴した2歳の若犬と80歳の老婆の尿pH値の貴重なデータで明白なように、尿のpHは酸性→アルカリ性→酸性という具合に上下変動しています。
だから、いわゆる「正常値」なんてものは存在しないし、一定の数値に維持するのが安心だなんてことも間違いです。そこで、私は次のスローガンを考えました。
ヒトもワンコもニャンコもちゃんと、毎日一度は出しましょう 弱酸性尿を出しましょう♪